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6−1−3 業務の見直し

 

CALS的アプローチを進めるためには、現在の業務の在り方やプロセスに関して見直しを行い、文書管理業務について省庁を超えたルールを策定する必要があると考えられる。一方、業務別にみても、プロセスの明確化によるルールや電子データの正当性に関する取り決めなどが必要である。

 

まず、現在各省庁で定められている文書管理規定を見直す必要があると思われる。文書管理は紙媒体から電子媒体に急速に移行しつつあり、文書管理プロセスもそれに伴って大きく変わる可能性があるだろう。検討すべき項目としては、文書管理プロセスの明確化、業務における権限の明確化、データの格納場所や方法の整備、管理ルールの徹底などがあげられるだろう。

また、行政機関間で情報の共有化を実現するためには、文書作成時のフォーマットを規定する必要があるだろう。共通したフォーマットで文書を作成することにより、検索や再利用が容易に行うことができるようになるとともに、効率的な文書管理の実現が期待される。

次に業務分野別に見ていくと、政策立案業務に関しては、類似した政策を進めるといった無駄をなくすためにも、省庁間における情報共有のためのルールをつくり、共有すべき情報の内容、範囲、タイミングなどを明確化する必要があると考えられる。

調達業務に関しては、その内容とプロセスを明確にする必要がある。米国では、政府が“政府運用構想(GCO:Government Concept of Operation)”を作成し、CALS構想に基づいた調達行為を実施する旨を意思表示することとしている。また、入札者はこれに対して“CALS取り組み構想書(CAC:Concept Approach for CALS)”を作成している。日本でも将来的には、このように文書としての取り決めが必要となるであろう。

届出・申請に関しては、個人的情報あるいは特許などのセキュリティの確保、正当性や承認の証明に関する取り決めを検討する必要があると思われる。

情報提供サービスでは、迅速な公開を実現するために、政策立案、指示指導、申請など、国民に提供すべき情報の多い業務との連携を図ることが効果的だろう。また、さらに公開方法の効率化が必要であると考えられる。

以上のような取り組みは、部分的には既に行われていたり、もしくは現在進行中のもの

 

 

 

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